今まで不法滞在者とは、複雑かつ稀な事情で生じた犯罪という位置付けで考えていたのですが、自分には関係ないと思っていた私が現実に頭を抱えることがあったので、色々と調べておりました。


日本は、ビザ免除の対象国として、ベトナムにパスポートのみで入国できるが、下記の4条件を満たす場合に限り、最大15日間がビザ免除となる。

出典:駐日ベトナム社会主義共和国大使館HP
【ベトナムビザ取得案内】


4条件
・出国日におけるパスポートの有効期限が6カ月以内であること
・前回のベトナム出国日から30日以上の期間が過ぎていること
・往復航空券または第三国への航空券を所持していること
・ベトナム入国禁止対象者リストに属しないこと


このため、私は今までビザ(査証)を発行したことがなく、今までも最長14日間のスケジュールでベトナムから日本に帰国していた。

妻花帆はベトナム国籍なので、そのような心配は一切ない。

そして、、私たちの赤ちゃんは、日本国籍なので最大15日間しかビザ免除が効かず、引き続きベトナムに滞在する場合は、滞在期間延長の手続きをしなければならないが、これも以下の条件がある。

出典:在ベトナム日本国大使館HP
【ビザ免除でベトナムに入国した日本人への特例措置】


条件
・往復の航空券を所持していること
・延長期間は15日以内の期間であり、1回のみが許可対象となる
・滞在許可期限の3日前まで申請すること

私たちの場合、既にこの全ての条件から外れていた。
・コロナ特別措置による復路の航空券が使用できない
・延長期間は見通し立たず、数カ月に及ぶ
・滞在許可期限の2日前にこの状態に置かれる


普通にパニックになる状況であり、子供の処置の行方はどうなるのか、妻に相談したところ、至って普通の反応だった。
花帆「大丈夫ですよ、コロナのせいですから、これから急いで手続きしますね」
私「間に合うの??」(パニック状態
花帆「赤ちゃんの不法滞在にはしません、安心してください(^^♪」

なぜ妻は、私と違っていつも落ち着いて、かつ明るいのでしょうね。
このことは後で書きますが。

何はともあれ、妻は家族と共にベトナム公安省出入国管理局に出向き、子供のビザ免除の滞在期間延長手続きではなく、ビザ発行の申請を行い、即日の発行を行った。
一般的な申請では日数を要するが、ここはベトナム社会主義共和国、、サービスという手数料以外の料金も支払い、あっという間に手続きが完了した。

【ベトナム公安省出入国管理局】
(※以下のリンク先は、ベトナム語表記のため、日本語表記に変換する必要があります。)
https://xuatnhapcanh.gov.vn/vi

外国に行く際には、何が起こるのか分からないため、ビザ免除という特別な措置に安心してはいけないと教訓になった。
 
何より、今回の前提として、コロナ特別措置による事情が主な理由として通ったようだが、このような冷や汗ものは二度と経験したくないので、万が一のため私もビザを発行することとした。


一応は胸を撫で下ろすところだが、もし、不法滞在になった場合どうなるのか、念のため、ついでにベトナム公安省出入国管理局にてヒアリングして貰ったところ、以下のことが分かった。
・罰則金の支払い
・再入国における期間のペナルティ
(なお、パスポートには記録が残る。)

など、やはり法律違反というレッテルが張られるようなので、今後留意する必要がある。


また、これはベトナムでの話であるため、日本の不法滞在による事情も調べてみた。

◇不法滞在とは?
外国籍の方が滞在許可がない国に入国する『不法入国』と在留許可期間超過による『不法滞留(オーバーステイ)』の2パターンの総称である。
今回の私たちの場合、正しい表記は『不法滞留』になるおそれがあったということ。

現在、日本でも大きな国際問題の一つとして取り上げられている。

出典:法務省HP
【令和元年度7月1日 本邦における不法在留者数について】


◇国籍別・不法残留者数の推移
令和元年度はベトナム国籍者は、79,013名と最も多い。
国籍別・不法滞留者推移

◇国籍別・不法残留者数の割合
令和元年度はベトナム国籍者は、16.9%最も多い。
国籍別 不法在留者数の割合

◇在留資格別・不法残留者数の割合
令和元年度は技能実習者数も13.7%
在留資格別・不法在留者数の割合
思っていたよりもベトナム人による不法滞在者が多く、数字に表すことで改めて深刻な状況であることが判明したが、これはベトナム人の方々にばかり責任があるのではなく、この状況を引き起こしている両国間の国政による被害が現れているに過ぎない。
このことは、のちの記事にてご説明したい。

なお、不法滞在が判明した場合は、以下の流れとなる。

出典:法務省HP


◇出国命令制度(日本の場合)
・自ら出頭した場合は収容無し、1年間の入国不可
・摘発等による場合は収容有り、5年間または10年間の入国不可

出国命令制度


法務省HPの統計を調べていくと、すぐに不法滞在者のおおよその状況やその後の流れが把握出来るのですが、ふと気付きました。妻の日本における在留許可期限も間近に迫っていることに。

予定どおりに妻子がベトナムから帰国出来なければ、どのような処置になるのか、その行方の想像は難くないですね。

しかし、色々と書きましたが、今回お伝えしたかったことは、仮に子がベトナムで、妻が日本で、オーバーステイの処置となっても、冷静に考えれば深刻な状況ではないということです。

妻花帆は、最悪のことではないから悲しくない、と明るく話していました。病気や怪我をした訳でもなく、無事でさえいればいつか必ず会えるのですから、と。
結構肝の据わった妻だと思ったのと同時に、確かにその通りだと安心させられました。私の器が小さいのでしょうね。

とは言え、楽観視している訳ではなく、これからは妻子の笑顔を守るために、更に万全を期す必要があると感じました。


再会まで残り2週間を切りました。無事に元気で戻って来て欲しいです。


~ふらり社畜紀行~
2020年5月8日
在宅では対応出来ない打ち合わせがあり、品川へ出張に行った際の帰り道です。
まだ22時半頃の港南口ですが、ひと気は少ないです。
品川
連休中は畑を耕し、鶏小屋を作ってばかりいたので、久々にアスファルトの上を長く歩きました。
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御楯橋
暗い運河を青いライトアップがされて綺麗でした。
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ひと気の少ない空間と輝くデジタルサイネージが対照的な構内ですね。
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無事に妻子がベトナムから帰国しましたら、14日間の自宅待機は要請されるものの、その後はすぐに当品川から東京出入国在留管理局へ行かなければならないですね。

朝5時半前には家を出て、帰宅する頃は日付が変わっています。
平常運転の私の日常に戻ってきました。
大変な日常ですが、今は『難しい、とか、苦しい。』ではないのです。
それに妻子がベトナムから帰国されれば元気はチャージされます。(今度も帰国できなければ私の原動力は落ちますが。)

私の寝室には、赤ちゃんのベビーベッドは残したままで、妻の衣服も掛けたまま、取り敢えず家族のところに帰ってきた感は毎日あるので、それが私の糧です。

では明日からも仕事を頑張ってきます。